開催中の展覧会情報

平成29年 夏季展

織部の遺響 後水尾天皇と東福門院和子

平成29年5月20日〔土〕
           ~ 9月18日〔月・祝〕
開館時間=9:30~17:30(入館は17:10まで)
休館日=会期中無休
後 援=京都府 京都市 京都新聞
    (公財)京都文化交流コンベンションビューロー

織部の遺響 後水尾天皇と東福門院和子
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ごあいさつ

 本展では、古田織部が公家文化に遺した影響に光を当てます。飛騨国高山(岐阜県高山市)藩主の嫡男として生まれた金森宗和(重近)は織部が切腹する直前に廃嫡され、京都に移住しました。宗和は父の影響で若い頃から織部流の茶の湯を学んでそれを極め、自流を立ち上げるまでになりました。やがて宗和は織部門下の関白・近衛信尋ら高位の公家衆や上級武士から支持を集め、茶の湯を教授するようになり、後水尾天皇を中心とした寛永文化ネットワークを形成した人々へ広まっていきました。また宗和は、陶工野々村仁清を指導して自らの好みの茶道具を造らせ、それが大いに賞賛されました。仁清は主に色絵を得意とし、多くの作品が国宝・重要文化財に指定されています。しかしそれ以前の京焼には白地に緑釉が掛けられ、内側は黒一色という軟質茶碗があり、これは美濃国(岐阜県)の織部焼に影響を受けたものとみられ、後の仁清や乾山に影響を与えた焼き物といえるでしょう。一方、織部やその弟子・小堀遠州は作庭を得意とし、多くの名庭園を世に送り出しましたが、後水尾天皇も織部らの影響を受け、仙洞御所の庭園を改造し、また上・中・下の離宮からなる修学院離宮を造営しました。後水尾天皇の中宮であった東福門院和子も茶の湯を好み、自らの好みの道具を遺しています。本展では、寛永文化ネットワークを形成した公家衆や法親王の書、東福門院・金森宗和が好んだ茶道具などを通して、織部が遺した美意識に迫ります。

展示品目録

  No 作品名 作者 箱書・伝来 等 日付・宛先・銘 制作年代
    ※特別展示
津田宗及御会席付
津田宗及 筆 古筆了延極札
広島藩士三好家伝来
天正弐(年)五月二日付 安土桃山時代
  1 艶書戯書 徳川秀忠(1597~1632)筆     江戸時代初期
  2 鶏図 徳川家光(1604~1651)筆     江戸時代前期
  3 宸翰伊勢物語断簡 後陽成天皇(1571~1617)筆     桃山時代
  4 宸翰横物 後水尾天皇(1596~1680)筆 重要美術品
三浦男爵家伝来
「一貫」 江戸時代前期
  5 書 状 近衛信尋(1599~1649)筆   八日付 難波宗種宛 江戸時代前期
  6 書 状 近衛信尋筆   三日付 青蓮院宮尊純法親王宛 江戸時代前期
  7 書 状 知恩院宮良純法親王(1604~1669)筆   卯月十六日付 金森宗和宛  江戸時代前期
  8 公家図       江戸時代前~中期
9 東福門院像   光雲寺蔵    
  10 東福門院和子好
黒中棗
7代駒澤春斎(1770~1855)造     江戸時代後期
  11 東福門院和子好
菊置上 釣香炉
6代駒澤利斎(1739~1803)造     江戸時代中期
  12 唐草蒔絵 黒塗 小壺   直斎宗守 箱書付   江戸時代中期
  13 屈輪写 橙香合 東福門院和子(1607~1678)造     江戸時代前期
  14 東福門院和子好
橙香合
3代中村宗哲(1699~1776)造、
5代中村宗哲(1764~1811)造
(3代宗哲 造)啐啄斎宗左在判
(5代宗哲 造)円能斎宗室 箱書付
  江戸時代中期
15 後水尾天皇像   宮内庁書陵部蔵    
  16 後水尾院好 膳所 肩衝茶入       江戸時代前期
  17 修学院離宮 楓木 藤の実香合 悦亭 造 大徹宗斗 箱書   江戸時代中期
  18 修学院焼 草文高坏       江戸時代前期
  19 志野織部 楓図水次       桃山時代
  20 志野織部
阿古陀形香炉
      桃山時代
  21 御菩薩焼 菊形花菱皿   真清水蔵六 箱書   江戸時代前~中期
  22 黒織部 茶碗 弥七田窯     江戸時代初期
  23 古京焼 立烏帽子香合       江戸時代前~中期
  24 絵志野
草花文 四方向付
      桃山時代
  25 黒塗 宗和膳       江戸時代後期
  26 古京焼 藤透 六角鉢       江戸時代前~中期
  27 御菩薩焼
二巴紋透 四方鉢
      江戸時代前~中期
  28 御菩薩焼
花七宝透 輪花鉢
      江戸時代前~中期
  29 御室焼 色絵金彩
蓬菖蒲文茶碗
野々村仁清 造     江戸時代前期
  30 金森宗和好 雲龍地紋 唐船釜       江戸時代前~中期
  31 青織部
梅花文耳付水指
      桃山時代
  32 青織部 小花瓶       桃山時代
  33 御室焼 流釉茶碗 野々村仁清 造   銘「青苔」 江戸時代前期
  34 青織部 菊兜香合       桃山時代
  35 京焼 白地緑彩内黒釉茶碗(陶片)   京都市考古資料館 蔵   桃山~江戸時代前期
  36 京焼 白地緑彩内黒釉茶碗(陶片)   京都市考古資料館 蔵   桃山~江戸時代前期
  37 京焼 白地緑彩内黒釉半筒茶碗(陶片)   京都市考古資料館 蔵   桃山~江戸時代前期
  38 京焼 緑彩天目形茶碗(陶片)   京都市考古資料館 蔵   桃山~江戸時代前期
  39 京焼 黒飴釉半筒茶碗(陶片)   京都市考古資料館 蔵   桃山~江戸時代前期
  40 京焼 黒飴釉半筒小碗(陶片)   京都市考古資料館 蔵   桃山~江戸時代前期
  41 京焼 黒釉茶碗(陶片)   京都市考古資料館 蔵   桃山~江戸時代前期
  42 京焼 透明釉茶碗(陶片)   京都市考古資料館 蔵   桃山~江戸時代前期
43 金森宗和像   飛騨高山まちの博物館蔵    
  44 竹銭筒花入 金森宗和(1584~1657)作(在判)   銘「老なみ」 江戸時代前期
  45 唐物 黒塗竹節形茶杓 金森宗和所持 金森宗和 筒書 古筆了仲極札 梶井宮家旧蔵   明時代
  46 竹 蓋置 鷹司輔信作   銘「玉柏」 江戸時代中期
  47 竹茶杓 近衛家熈(1667~1736、虚舟)作   銘「海邉」 江戸時代中期
  48 茶書「金森流 茶湯法式」       江戸時代中期
49 洛中洛外図屏風(二条城行幸図)       江戸時代前期
  50 金森宗和好 「夕佳亭」図(『数寄屋之図』の内)       江戸時代後期
  51 浪千鳥蒔絵 御書棚       江戸時代前期
  52 書状 金森宗和筆   二日付 古三郎右衛門宛 江戸時代前期
※はパネル展示。